1⃣はじめに
ここでは「相続登記の義務化」と「相続人申告登記」について説明しています。
より正確な情報を提供するため、最初に根拠となる条文を示し、その後に、その概要を示しています。
2⃣相続登記の義務化
不動産登記法第七十六条の二 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは、当該相続により所有権を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も、同様とする。
概要
相続人は、相続人になった日から3年以内に所有権移転登記をしなければなりません。これが「相続登記の義務化」といわれているものです。
不動産登記法第百六十四条 第三十六条、第三十七条第一項若しくは第二項、第四十二条、第四十七条第一項(第四十九条第二項において準用する場合を含む。)、第四十九条第一項、第三項若しくは第四項、第五十一条第一項から第四項まで、第五十七条、第五十八条第六項若しくは第七項、第七十六条の二第一項若しくは第二項又は第七十六条の三第四項の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、十万円以下の過料に処する。
概要
相続登記の義務を履行しないと10万円以下の過料に処せられます。
3⃣相続人申告登記
不動産登記法第七十六条の三 前条第一項の規定により所有権の移転の登記を申請する義務を負う者は、法務省令で定めるところにより、登記官に対し、所有権の登記名義人について相続が開始した旨及び自らが当該所有権の登記名義人の相続人である旨を申し出ることができる。
2 前条第一項に規定する期間内に前項の規定による申出をした者は、同条第一項に規定する所有権の取得(当該申出の前にされた遺産の分割によるものを除く。)に係る所有権の移転の登記を申請する義務を履行したものとみなす。
概要
自分が相続人であることを、登記官に対して申し出れば、相続登記の義務を履行したものとみなされます。これが「相続人申告登記」といわれるものです。
不動産登記法第七十六条の三
(省略)
4 第一項の規定による申出をした者は、その後の遺産の分割によって所有権を取得したとき(前条第一項前段の規定による登記がされた後に当該遺産の分割によって所有権を取得したときを除く。)は、当該遺産の分割の日から三年以内に、所有権の移転の登記を申請しなければならない。
概要
相続人であることを申し出た者は、遺産分割の日から3年以内に所有権移転登記をしなければなりません。これを怠ると10万円以下の過料に処されます。